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【体験談】あなたの写真をください

「あなたの写真をください」と異性から言われた経験ありますか?

今は簡単にスマホできれいな写真を撮れるので、わざわざ写真をもらわなくても済むのですが、昭和の時代はそうはいかないのです。好きになった相手から写真をもらうことが、告白したような、そうじゃないような、写真を頼む側も頼まれる側も、甘酸っぱく照れくさい空気になる、今思えば懐かしい青春の1ページです。

逆にこういったことが今の若い人は経験できないことをかわいそうだと思いますが、それに代わるものがきっとあるのでしょう。年寄りにはわからないだけなのでしょうね。

実はこの私でさえ若いころに一度「あなたの写真をください」と同級生の女子に言われたことがあったのですよ。このときは照れてしまってお断りしてしまったのですが、今思えばなんと勿体ないことをしたのでしょう!女性からアプローチされるなんて今ではお店の営業以外にあり得ないのですから…(寂しい限りです)

次の日にまた同じ女子が今度はお手紙を持って私に近づいてくるのです。いやいやラブレターまでいただけるなんて、しかも周りに同級生がたくさん見ている前でそういうことをされると恥ずかしいので、かなり照れてしまいます。本当は嬉しくて堪らなかったのですが、少し見栄を張りたかったのでしょう、「いや、そういうの迷惑だから…もういいから…」等と少し不機嫌そうな雰囲気まで装って彼女にそう伝えたのでした。

すると彼女は少し笑いながら「何か勘違いしてない?私の親友があなたの友人のA君のことが好きなので、この手紙をあなたからA君に渡してほしいだけなんだけど…、あなた大丈夫?」と少し馬鹿にした感じまで出してきました。

私はやっと自分の勘違いに気付き「何を言ってるんだ。わかっているよ、Aに渡しておけばいいんだろ。わかったよ、渡しておいてやるよ。」と嫌々承諾しているフリをするのが精いっぱいで、顔面は真っ赤になり早くその場を離れたかったのですが、彼女からの追い打ちで「あ、そうそう、あなたの写真、もういらないから…」

私の場合「甘酸っぱく照れくさい空気になる」には程遠い、苦い嫌な思い出でした。

humikuma:
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