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【事件簿】塵芥(じんかい)収集業務

塵芥(じんかい)収集業務って難しい漢字ですが、いわゆるゴミ屋さんのことで、パッカー車等の収集車でゴミを集めて、持って行ってくださるお仕事のことです。

そこで働いている方の中に、とても視力が弱いおじさんがおられたのですが、その方のお話をさせていただきます。

そのおじさんは、自転車で通勤されていますが、歩道の上を通ってくれば、安全なのに車道の路肩の白線の上を通ってこられます。どうしてそんなことをするのか尋ねたところ、「歩道は段差があったり、他の自転車や歩行者が見えにくく危険で、車道なら勝手に自動車が避けてくれるので安全なんだ。」といっておられました。そのため、このおじさんが通勤中には決まって、自動車の渋滞が起きていました。もちろん、このおじさんが先頭で…。

さて、通勤中でもこういった感じのおじさんなのでゴミ収集の仕事についてどうかというと、ゴミ置き場のそばにある大きな石をゴミと間違えて収集車に積みこんでしまうことは日常茶飯事で、一緒に仕事をしているスタッフが注意して見ていなければ何をするかわからないほどです。
ある日、いつものようにゴミ置き場で収集業務をしていたのですが、そのゴミ置き場に、髪を頭頂部で団子のようにまとめ、黒い服を着たご婦人が、犬を連れてゴミを持ってこられました。

そのご婦人がゴミ置き場にしゃがんでゴミ袋をくくっておられたときに、事件は起きたのです。

その視力の弱い方が、おもむろにそのご婦人の頭をわしづかみにしようとしているではないですか。そばにいたスタッフが慌てて止めに入ったので間一髪セーフ!

黒い服を着て、頭をくくっておられたので、ゴミ袋に見えたとのことでした。危なかった…と、スタッフが油断した時でした、「ギャンギャン!」と大きな断末魔の叫びのような声。そのおじさんが、ご婦人の連れていた犬をゴミと間違えて収集車に積もうとしていたのでした。
スタッフとご婦人が必死に止めに入って、これまたぎりぎりセーフ。

皆さんはゴミ置き場で塵芥収集業務中は危険ですから決してそばには寄らないでくださいね。もしかしたら収集車に積み込まれるかもしれないですから…。

humikuma:
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